『文化が企業にもたらすもの』

文化芸術が企業経営そのものを変革する、その実例を語る。

80年代から「顔の見える企業」という表現が使われてきたが、いま、企業破綻に追い込まれそうな危機に直面している企業からは、経営者の顔が見えない、こころが感じられない。 他方、厳しい時代の中でも「顔の見える企業」が、地域・地方の中小企業にはたくさんある。 そのような企業は、利益よりもまず従業員を大切にしている、地域文化を豊かにしていくことが企業理念のなかに明確化されている。 芸術にこころを寄せる経営のありかた、そこでのアートマネージメントは、時代の精神・息吹に触れながら「思いとその実現」をめざそうとする企業の価値創造になくてはならないスキルでもあるのではないか。 時代を見ない、美しいものに向き合おうとしない集団から豊かな価値は生まれない…

柿崎孝夫

Takao Kakizaki
(元資生堂執行役員(企業文化・宣伝制作・広報担当)、 学習院女子大学大学院非常勤講師/日本)

学習院女子大学大学院 非常勤講師。 秋田公立美術大学 経営審議会 委員。 1944年神奈川県横浜市に生まれる。 立教大学経済学部卒業。 同年株式会社資生堂に入社。 営業を経て本社広報・宣伝・販促部門の実務を担当、1990年に創設された企業文化部でメセナ窓口・資生堂ギャラリー運営・ギャラリー75年史編纂などを担当、1995年企業文化部長。 その後、執行役員宣伝部長などコミュニケーション部門を歴任。 執行役員(企業文化・広報・宣伝制作担当)を最後に2007年退社。 在職中から現在まで十数年間、首都圏の大学数校で体験にもとづく企業メセナ論を講義してきた。 主な著書に『甦れ、美意識』(1995資生堂ギャラリー)、『文化を愛する企業へ』(1998東京美術)、『企業を文化で語る。』(2007東京美術)などが ある。