『アメリカの美術館とは何か、そして今何に挑戦しているか』

 

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進化するアメリカの美術館の真実を語る。

インターナショナル・アーツ・アンド・アーティスツ創始者であり代表をつとめるデイヴィッド・ファーチゴットはアメリカと海外の美術館に関わってから40年以上たつ。 このたびの講義ではまずアメリカ合衆国の美術館のタイプ、スタッフ、使命について概観する。 またこれまで見聞きしてきた日本の美術館との比較を行う。 さらにインターナショナル・アーツ・アンド・アーティスツという組織がどのようにアメリカの美術館のみならず海外の美術館とともに歩んで来たかを論じる。 文化資源を共同利用することがより多くの公衆の役に立つこと、その資産をよりよく活用できることにも触れる予定である。 最後に、21世紀に入りアメリカの美術館、理事会、スタッフがどのような問題を抱えているかを、アメリカの数百にのぼる美術館のために活動して来たインターナショナル・アーツ・アンド・アーティスツ代表という視点から論じる予定である。

デイヴィッド・ファーチゴット

David M. Furchgott
(インターナショナル・アーツ・アンド・アーティスツ 創始者・代表/アメリカ)

芸術家、科学者、起業家を輩出したクリエイティヴな家系に生まれ、美術の教師、アーティストとしての教育を受ける。 23歳で小さな美術学校の校長となり、美術展示企画、美術教育、小さな美術学校の運営に携わり、その後サウスキャロライナ州政府の機関で公共とアートを結びつけるプログラムを作成する任務についた。 『スポレト芸術祭Spoleto Festival』に関わったことを契機に活動範囲を世界にひろげ、1979年から拠点をワシントンDCに移し、非営利団体インターナショナル・スカルプチャー・センターの初代所長を16年間務めた。 同センターではアーティストのためのさまざまなプログラムを打ち出し、約15000人のメンバーを70カ国以上から集めることに成功し、北米はもとより、アジア、ヨーロッパで展覧会を行なった。 日本でもマーク・ロスコ、デイビッド・スミス、フランクロイド・ライト、ピーター・ヴォーコスなどの展覧会を企画している。 世田谷美術館の開館記念展覧会ではアメリカから作品を借用することに貢献した。 彼はまた、雑誌『彫刻Sculpture』を創刊し15年にわたり編集に携わった。 そうした活動を進展させるために1995年に非営利団体インターナショナル・アート&アーティスト(IA&A)を創設。 IA&Aは現在ではアメリカで最も多くの美術巡回展を企画する機関となり、18年間で開催した展覧会は500を超える。 日本でも開催された展覧会の例としてアメリカのエスニック・マイノリティのアートを紹介した『アメリカン・ストーリー』がある。 また書、武具、竹工芸、現代陶芸など日本の伝統工芸、現代工芸、現代美術などの展覧会も数多く企画している。 さらにIA&Aはファーチゴット氏の指導のもとアメリカの文化関係機関と提携し、毎年90~130名を対象にアーティストやアートマネージメント専門家のトレーニングプログラムを実施している。 またワシントンDCにおいて、現代美術のための小さな展示スペースを運営しており、新進のアーティストや発表機会が少ないアーティストの小規模な展示を年間30~36ほど行っている。